増刊号特集 外来泌尿器科マニュアル—私はこうしている
尿路ストーマケア
大村 裕子
1
1東京オミストセンター
pp.160-162
発行日 1991年5月30日
Published Date 1991/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900362
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尿路ストーマ造設に伴う問題
尿路ストーマとは尿の排泄口が従来とは異なった位置,主に腹部において開口された場合にその排泄口を指す言葉である.これは一般に手術的に腹壁に造設されるものである.尿路の2大ストーマは回腸導管と尿管皮膚瘻であるが,これらのストーマには尿排泄をコントロールする機能;コンティネンス(禁制)がない.最近はストーマにコンティネンスの機能を持たせる手術(コックパウチ)も行われるようにもなったが,これらは手技が煩雑で手術適応に制約があるため,実際にはストーマのほとんどが括約筋機能のないインコンティネンス(失禁)ストーマとして造設される.従って,いかにこのインコンティネンスをコントロールするか,あるいはこれによって生じてくるハンディキャップをカバーするかがストーマケアのもっとも重要な課題となる.
また,ストーマ造設患者はインコンティネンスに加えて排尿口が腹部におかれることによるボデイイメージの変化がもたらされ,そのための精神的な援助もケアの要といえる.これらの点からストーマ患者には,排泄管理はいうにおよばず身体的・心理的・社会的観点からのトータルな社会復帰援助(ストーマリハビリテーション)が要求される.
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