増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅵ 術後管理と合併症対策
5.晩期合併症とその対策
尿路変向術とストーマ合併症
坂 義人
1
Yoshihito Ban
1
1岐阜大学医学部泌尿器科学教室
pp.309-315
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902312
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はじめに
最近の尿路変向術は患者のQOLを考慮して,自己排尿型の新膀胱へ移行しつつあり,ストーマを形成する術式は徐々に減少していると思われる。しかし一方では,すでにストーマを有している患者(オストメイト)が多数みられ,さらに高齢や合併症あるいは腫瘍の存在部位などにより新膀胱を選択できない症例も少なくない。今後,高齢者が増えるにしたがってこのような患者が増えることも予想される。
ストーマは一度造設されると生涯をともにしなければならないので,長い間には種々の合併症に見舞われる。これらの中には,ストーマ狭窄のように腎機能に直接影響を及ぼすものがある一方,ストーマ周囲皮膚炎のように腎機能には直接影響はないが長期にわたって患者に苦痛を与えるものもある。ストーマ周囲皮膚炎による患者の精神的苦痛は意外に大きいものである。
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