増刊号特集 外来泌尿器科マニュアル—私はこうしている
外来検査法の実際
ウロダイナミック検査のポイント
西沢 理
1
1秋田大学医学部泌尿器科
pp.59-61
発行日 1991年5月30日
Published Date 1991/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900337
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ウロダイナミック検査の目的
ウロダイナミック検査法の目的は下部尿路機能の把握である.下部尿路機能はInternational Continence Society(1988)によれば表のように分類されている.蓄尿と排出期とに大別して区分し,それぞれ膀胱と尿道の機能を分類する.蓄尿期には膀胱機能を正常と過活動性とに,尿道機能を正常と不全とに分ける.過活動性膀胱は神経障害が見いだされる過反射性膀胱と神経障害が見いだされない不安定膀胱とに細分される.また,蓄尿期には知覚についても,正常,過敏,減弱および消失の4段階に区分する.排出期には膀胱機能を正常,低活動性および無収縮性とに,尿道機能を正常と閉塞とに分ける.閉塞尿道は過活動性尿道と器質的尿道とに細分される.問題点としては,尿道が解剖機能的に平滑筋を主体とする内尿道括約筋(膀胱頸部側)と横紋筋を主体とする外尿道括約筋(膜様部尿道側)とに区分されているために,両者の総和として現れている尿道機能を必ずしも,単一的に分類できないことである.
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