小さな工夫
経尿道的膀胱内留置による排尿時下部尿路機能検査用2腔カテーテル
西沢 理
1
,
守屋 至
1
1秋田大学医学部泌尿器科学教室
pp.144
発行日 1985年2月20日
Published Date 1985/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203981
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最近,排尿時の下部尿路機能が利尿筋圧と尿流量との持続的同時記録により詳細に評価されている。これまで,私たちは排尿時のウロダイナミック検査を行う場合には膀胱内注入と内圧測定を別々の経路で行う2腔カテーテルを恥骨上から経皮的に膀胱内に留置していた1)。しかし,この方法は恥骨上穿刺の操作が被検者にかなりの負担を与えていた。今回,私たちは経尿道的に留置しても,排尿時に尿流と一緒に抜去されず,さらに,膀胱内注入および排尿終了後の残尿測定も容易に行えることから,ウロダイナミック検査に最適な2腔カテーテルを試作したので紹介する。
付図に2腔カテーテルを示す。ポリ塩化ビニルの材質で,全長が60cm,太さは7.5Fr.である。先端部には数個の側孔をあけ,約10cm程度の部分を110℃で約5分間の熱処理後にループ状に固定した。圧測定路の他端は圧トランスデューサーと直接に連結できるようにし,注入路にはイルリガートルと浣腸器とが連結できるようにした。滅菌蒸留水の膀胱内注入は約1mの高さに固定したイルリガートルを介して最大約20〜30ml/minで行える。また,残尿も浣腸器で容易に吸引し測定できる。
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