Urological Letter・569
職業病的頸部疼痛への追加
pp.814
発行日 1990年9月20日
Published Date 1990/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900167
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1990年1月15日号のUrological LetterのR.H.Harrison,IIIの手紙を興味深く拝読した.筆者もまた,1989年10月に同様の,急性の頸部椎間症にかかり,神経症状が起こり,事実,筋電図も変化し,左尺骨神経領域に筋肉の弱りも現れた.ミエログラフィーでは脊椎突起の著明な変性が見られ,C7-T1間の椎間板が横に突出していることが証明された.筆者が39歳の時,すでに10年間,胃腸病の診療に従事していた.筆者は頭上への重量挙げを含む健康プログラムに熱中していたが,それも控えることにした.幸に前記症状は治った.その上,更に身体のメカニズムと自分の職業がら必然的に起こる頸部の緊張からくる変化を減らす方法を悟った.頸部の緊張を起こす不都合な姿勢の最も普通なものは頸部の過剰屈曲であり,これはフレキシブルな内視鏡が,それを使う術者に必然的に強いることになる姿勢である.この頸部屈曲は患者の台を挙上して術者が頸を曲げなくても良い高さにすれば,軽減できる.さらに,ビデオ内視鏡を使えば一層頸の過剰屈曲の必要性が回避できる.簡単な例だが,読書とか缶入りソーダ水を飲むことなど頸を過度に伸展させることもすべて頸部緊張を鋭敏におこすことになる.これらの状態は単に身体機構を変化させることで,たとえば読書の際には机に肘をつく体位を避け,缶入りソーダ水を飲む時はストローを使うことで頸部緊張を著しく軽減できる.
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