Japanese
English
綜説
尿路性器悪性腫瘍における中間径のフィラメント
Intermediate Filamentsin Urogenital Manignancies
飯泉 達夫
1
,
矢崎 恒忠
1
,
梅田 隆
1
Tatsuo lzumi
1
,
Tsunetada Yazaki
1
,
Takashi Umeda
1
1帝京大学医学部泌尿器科
1Department of Urology.Teikyo University School of Medicine
pp.195-201
発行日 1990年3月20日
Published Date 1990/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900035
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はじめに
細胞骨格は,すべての真核細胞の形態形成,細胞分裂,運動などの多くの機能を支配している構造物である。この細胞骨格の構成要素としては,その太さにより,①微小管(microtubule,直径25nm),②中間径フィラメント(intermediate fila-ment,直径7〜11nm),③ミクロフィラメント(microfilament,直径6nm)の三種類の線維性構造物が知られており,その存在状態は細胞周期や環境条件の変化に応じて変化する。一方,細胞の悪性化に伴い,細胞の形態の変化や増殖異常,接触阻止(contact inhibition)の消失などが認められ,これらの変化に細胞骨格の変化が関係していることは容易に推測できる。このため,細胞骨格の研究は癌化のメカニズム,癌細胞の性格,転移のメカニズム等を知る上で大きな役割を果たすと思われる。
尿路性器悪性腫瘍における細胞骨格の研究は比較的少なく,その中心は中間径フィラメントに関したものである。そこで,本稿では尿路性器悪性腫瘍における中間径フィラメントについてまとめてみたい。
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