Japanese
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特集 中間径フィラメント
肝細胞の中間径フィラメント
Intermediate filaments of hepatocytes
岡上 武
1
,
太田 正治
1
,
瀧野 辰郎
1
Takeshi Okanoue
1
,
Masaharu Ohta
1
,
Tatsuro Takino
1
1京都府立医科大学第3内科
pp.454-459
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905420
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肝細胞には微小管(microtubule:MT),中間径ブィラメント(intermediatc filament:IF)とマイクロフィラメント(microfilament:MF)と呼ばれる3種の線維状蛋白が存在し,細胞骨格(cytoskeleton:CS)を形成している。IFは生化学的,免疫学的性状の違いから五つに分けられ,肝細胞は他の上皮細胞と同様にケラチンを主な構成蛋白とする線維状構造物である。マウスの肝細胞のIFの分子量は41,000〜55,000,ラットで43,000〜56,000といわれている。
IFは直径が約10nmであることから,10nmフィラメントとも称されている。IFという名称はIshikawaら1)により提唱されたものであるが,肝細胞のIFの研究の歴史は比較的新しく,1975年Frenchら2),Phillipsら3)がMFの研究中にIFを発見したのが最初である。肝細胞細胞骨格(肝CS)のなかではMFに関する研究がもっともよくなされており,従来IFは動的意味を持たずかつ安定性のある細胞骨格であるとの認識もあり,MFほど研究されていない。IFが臨床的に注目されだしたのは,アルコール性肝炎の形態面でのkey featuresともいえるアルコール硝子体(Mallory body:MB)形成にIFが関学していると考えられだした時4)からである。
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