Japanese
English
綜説
睾丸腫瘍の補助療法
The Current Management of Testicular Cancer
三木 恒治
1
,
古武 敏彦
1
Tuneharu Miki
1
,
Toshihiko Kotake
1
1大阪府立成人病センター泌尿器科
1The Center for Adult Diseases, Osaka
pp.99-115
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900018
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はじめに
睾丸腫瘍は比較的稀な疾患であり,欧米の白人で10万人あたりの発生率は約4人1,2),本邦においては約1人1,3)にすぎないが,20〜40歳代の青壮年層に多く,また診断時にその30数%に転移巣を認め4),有効な化学療法のなかった1970年代前半まではその予後は極めて不良であった。しかし,1970年代後半になって,PVB療法5)やVAB療法6)などのシスプラチン(CDDP)をベースとした優れた化学療法の出現により,転移例の80%は治癒可能であり7),従来絶望視されていた進行性睾丸腫瘍も,いまや"完全治癒をなしうる癌"になりつつあるといえよう。
本稿においては,睾丸腫瘍の補助療法として,現時点における化学療法,外科療法,放射線療法について組織型別および病期別に述べるとともに,睾丸腫瘍の治療における今後の問題点についても言及したい。
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