特集 男性不妊診療のニューフロンティア―保険適用で変わる近未来像
企画にあたって
男性不妊診療のニューフロンティア―保険適用で変わる近未来像
梅本 幸裕
1
1名古屋市立大学医学部附属西部医療センター泌尿器科
pp.685
発行日 2022年9月20日
Published Date 2022/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207644
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不妊治療は今まで自由診療の側面が強く,一部の限られた施設で行われており,一般診療とはほど遠いものであった.その不妊治療が2022年4月から一部を除いて保険適用となった.国民皆保険であるわが国において,保険適用の疾患は多くの施設で受けることができる医療を目指す必要がある.この不妊治療の保険適用は,男性不妊診療を再考する絶好の機会と考えられる.
そこで,実際の診療現場において起こっている問題はどのようなことなのか.保険適用になっていない診療行為,混合診療が認められないため自費診療にならざるを得ない治療,また今までの国や地方自治体の補助制度がなくなってしまい,経済的により条件が悪くなってしまったカップル,といった問題点が出てきている.このため,男性不妊,女性不妊とそれぞれの立場で保険適用になった故の問題点を明らかにする必要がでてきた.この点を保険適用におけるメリット,デメリットとして,まずは解説いただいた.
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