扉
近未来
峯浦 一喜
1
Katsuyoshi MINEURA
1
1京都府立医科大学脳神経外科
pp.3-4
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101083
- 有料閲覧
- 文献概要
日食が46年振りに国内で観察された.皆既日食が見られる奄美大島には熱狂的な観察者が訪れ,人口が倍化した島もあるほどであった.かたや京都でも雲間から部分日食を見ることができた.前回の日食では,次第に空が夕暮れのように薄暗くなり,下敷き,あるいは煤の付着した硝子で観察したことが記憶にある.現在,これらの観察方法は日食網膜剝離を惹起する危険性があり非常識であると言われる.皆既日食に限らず,かつての常識が,いつのまにか非常識になることは驚くに値しないほど多くの分野でみられる.「変わることこそ変わらないこと」である.
大学も例外ではない.国公立大学は法人化し,私立大学も意欲的に改革が進められている.近年,いくつかの大学の卒業式でスピーチを聞く機会があった.卒業式はcommencementの別称の通り,「終われば始まる」.学生が大学から社会に飛び出すスタートラインである.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.