特集 実践! エビデンスに基づいた「神経因性膀胱」の治療法
企画にあたって
実践! エビデンスに基づいた「神経因性膀胱」の治療法
三井 貴彦
1
1山梨大学大学院総合研究部泌尿器科学講座
pp.259
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207550
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神経因性膀胱は,泌尿器科医が日常診療のなかで数多く診察をする疾患の1つです.そのため,神経因性膀胱を特集とした企画は数多く存在するのが現状です.ただ,そのなかで「神経因性膀胱の治療法」に焦点を絞った企画は,あまり多くないと思います.実際の診療では,神経因性膀胱の病態が多岐にわたることもあるため,神経因性膀胱の適切な診断も重要ですが,診断した後の治療法の選択で苦慮することも少なくありません.そこで,今回の企画では「神経因性膀胱の治療法」について,その道のエキスパートに執筆を依頼し,特集を組んでみました.
最初に,日常診療のなかで行うべき神経因性膀胱の診療におけるアウトラインについて,ガイドラインのアルゴリズムを中心にそのポイントを解説していただきました.その診療のアウトラインを基に,各種治療法のポイントについて解説をしていただいています.一言で「神経因性膀胱の治療法」といっても,病態に合わせて多岐にわたるのが現状です.「自排尿で管理していいのか?」「清潔間欠導尿の導入時期や施行のポイントは?」「清潔間欠導尿ができないときの尿路管理は?」「薬物療法は,どのように処方すればいいのか?」「保存的治療でコントロールが困難な際には,どのような外科治療を行うのか?」など,患者さんの病態に合わせて治療を進めていく必要がありますので,本特集の解説は治療を行ううえでとても参考になると思います.さらに,神経因性膀胱に合併する重症な排便障害に対して施行される洗腸路造設術についても解説をお願いしました.
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