連載 医薬系プレゼンテーションの技術―知れば,学べば,必ず上達!・第9回
ビジュアルテクニック(スライド編⑤)
井上 貴昭
1,2,3
1原泌尿器科病院
2神戸大学泌尿器科
3国際プレゼンテーション協会(IPS)医学プレゼンテーションチーム
pp.801-805
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207024
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狭義のビジュアル
「私達の脳は他の何よりも“見る”ことに力を注いでいる」 byレオ・チャルパ医師
人には情報をキャッチし吸収するために味覚,嗅覚,触覚,聴覚,視覚があることは以前にお話ししたと思う(本連載第5回).これらの中で情報吸収率が最も高いのが視覚(ビジュアル)だ.広義のビジュアルには背景,配置,色,文字,行間,書体,そして図や表,写真,動画,アニメーションなどが含まれるが,一般的に狭義のビジュアルとしては,図や表,チャート,写真,動画,アニメーションを想像するであろう.文章や数字をできるだけ図や表に置き換え,自分が伝えたい印象を,想像を引き立たせるような写真や動画で聞き手にイメージさせることは,聞き手の理解を助け,興味を沸かせ,そして記憶に留めさせる手段の1つである.そう,何よりわれわれ人間の脳はこの“見る”ことに自然の中で最も力を注いでいるのである.この“見る”力を借りて,あなたの伝えたいことをより聞き手にわかりやすく伝えるためにビジュアルスライドを工夫するのだ.ビジュアルには“見える”,“わかりやすい”,“(印象に)残る”がそろっていることが大切だ.ここでは,図や表,そしてチャートについてお話ししていく.
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