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◯恐るべき現象Death by PowerPoint(パワポ死)
プレゼンテーション(プレゼン)とは,情報伝達手段の一種であることは以前にもお話ししたと思う.このプレゼンテーションという言葉が広辞苑に載ったのは1999年で,まだ日本では20年ほどの非常に新しい概念なのである.当時のプレゼンの多くは「紙の資料」で行われていたが,その後透明なシートをレンズの上に置き,光源の光を透過させスクリーンに投影するオーバーヘッドプロジェクター(OHP)が流行した.しかし,1995年以降Windows 95が大ヒットし多くの企業で「Microsoft Office」が使用されるようになり,「PowerPoint」が提案資料作成を効率的かつ日常的なものにしたのである.その後,Macの「Keynote」,Prezi社が開発した「Prezi」などが人気を集め,日本でも急速に普及している.
現代に生きるわれわれはプレゼンテーションソフトという素晴らしいツールを手にした反面,そのスライド作成に一喜一憂し,時間を費やし,そしてスライドが出来上がったことに満足する.そう! まさしく自己満足のスライドを作成して本番を迎え,あなたは緊張で手に汗を握りパソコンのスライドを見つめながらプレゼンするのである.結果,オーディエンスは“爆睡”.あなたは知らないうちにPowerPointの見えない罠にかかってしまっているのである.今もこの瞬間も,世界中の会議室やセミナールームで発生している恐るべき現象.それがDeath by PowerPointだ.そうならないために,あなたはスライドを自己満足で作成してはいけない.あなたの時間を無駄にしないためにも,正しい方法でこのスライドプレゼンテーションを制するのだ.ここでは本連載第1〜3回を踏まえて,実際のスライド作成と忘れてはいけないポイントについて紹介しよう.ただし,わかっていると思うが! スライドはあくまでもあなたの脇役であることを忘れてはいけない.
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