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編集後記
小島 祥敬
pp.252
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206510
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中学校の卒業式のときに“ある人”からもらった手紙に,「出会いがあれば別れもある.別れがあれば出会いもあるのです」と書かれていたことを,ふと思い出しました.3月は別れの季節,4月は出会いの季節.さて皆さんはこの3月,どんな別れがあるのでしょうか?
かくいう私は,2つの大きな別れを経験します.1つ目の別れは,広島大学と岩手医科大学から当講座に国内留学していた2人です.東北地方の慢性的な医師不足に加え,東日本大震災に端を発した複合災害の影響により,いまだに福島県の医療は厳しい状況にあります.広島大学とは,放射線災害の学術的基盤として大学間の交流が進んでいることもあり,岩手医科大学とは,専門医プログラムを共有していることもあり,松原昭郎教授と小原航教授のご高配により,若い先生を1人ずつ派遣していただきました.両教授には,苦しい福島の現状をご理解いただき,福島復興のためにお力添えをいただきました.また,優秀な若い泌尿器科医が,家庭を犠牲にして見知らぬ土地に来てくれたことは,福島の医療を助けてくれたのみならず,異文化を持ち込んでくれたことにより,医局員には大きな刺激となり,思わぬ数々の相乗効果を生み出してくれました.その2人が国内留学を終え,それぞれの母校に帰っていきます.
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