交見室
超音波による副腎描出法の標準化に向けて
水関 清
1
Kiyoshi Mizuseki
1
1函館渡辺病院内科
pp.541-543
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206045
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ルーチン検査として行う超音波検査の一環として副腎を描出することは,新生児・乳児を除いて一般的ではない.腹部超音波検査の標準化と精度管理を目指して,超音波医学会・消化器がん検診学会・人間ドック学会が合同でまとめた『腹部超音波健診判定 マニュアル』をみても,標準的走査法でカバーする臓器は,肝・胆・膵・脾・腎・腹部大動脈が対象とされ,副腎・膀胱・子宮・卵巣・前立腺は,正式な対象臓器とはされておらず,有所見時のみの記録が勧められているにすぎない.
1990年代後半から超音波診断装置のデジタル化が急速に進んだ結果,超音波画像のコントラスト分解能が改善し,特に体の深部にある臓器の描出能が大幅に向上することとなった.その恩恵を受けた臓器の1つが副腎であり,深部減衰の影響や,周囲組織との間でのコントラストのつきにくさといった画像化するうえでの難点を,ある程度克服するに至った.
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