技術講座 生理
超音波による虫垂炎の描出法
荒木 一郎
1
,
上野 敏男
2
1浅ノ川総合病院内科
2浅ノ川総合病院
pp.669-676
発行日 1998年7月1日
Published Date 1998/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903559
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
急性虫垂炎の診断はこれまで主として症状や診察所見,白血球数に頼ることが普通で,医師の力量に負うところが多かった.近年,CTや超音波による客観的な画像診断が可能となり,正確に虫垂炎を把握できるようになってきた.また抗生剤の進歩により,虫垂炎の手術適応の再考が行われ,カタル性虫垂炎は保存的に治療する方向となってきている.この意味で超音波は虫垂炎の診断のみならず,手術適応の決定にも重要な役割を果たしつつある.最近はカラードップラー法による血流シグナルの量が炎症の程度と相関するという報告がみられ,将来,虫垂炎の病期判定にも応用される可能性が出てきている.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.