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編集後記
小島 祥敬
pp.1056
発行日 2016年12月20日
Published Date 2016/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205842
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第81回日本泌尿器科学会東部総会(弘前大学・大山力会長)において,杏林大学医学部外科の杉山政則教授の教育講演「若手─中堅医師のための論文作成の基本技術 : なぜ書くのか?どうやって書くのか?」の座長を仰せつかりました.杉山先生によると,『「忙しいから」「英作文が得意でないから」と言い訳をして40歳までは全く論文を書かなかったが,その後研究や論文執筆の楽しさを初めて知り,80篇以上の論文を筆頭著者として発表した』とのことです.ただただその熱意に感服するばかりでした.“なぜ書くのか”に対する結論は,“臨床医の条件としてArt-Science-Humanityが必須であり,研究・論文作成を通じて科学的思考・姿勢を身につけることはacademic surgeonとなるためには重要であるから”とのことです.ちなみに昨年の第103回日本泌尿器科学会総会の若手企画で,本誌編集委員の大家基嗣先生が,「いくら優れた研究をしても,論文を書かないことには研究を完結させたとは言えない」とご発言され,私自身も全く同じ思いでした.
研究をすること・論文を書くことの目的は,学位を取得するため,最新の科学を享受するため,考え方や議論の仕方を学ぶためなど,さまざまです.しかし最も重要なことは,わからないことを考え,追及する癖を身につけることだと思います.臨床には未解決の課題や不確定要素が多く,臨床力をつけるためには,創造力を養うことはとても重要なことだと考えます.
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