増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
標準治療
転移性前立腺癌
猪口 淳一
1
,
江藤 正俊
1
1九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野
pp.179-182
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205633
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疾患の概要
転移性前立腺癌は,遠隔転移を有する癌,および所属リンパ節転移を有する癌の総称である.転移性前立腺癌の前立腺癌全体に占める割合はPSA検査の導入前後で比較すると低下しているが,前立腺癌全体の罹患率は上昇しており,注意が必要である.最近では転移性前立腺癌の5年生存率は50%を超えると報告されており,他癌腫と比較すると予後良好ではあるが,前立腺癌による死亡数は増加を続けており,さらなる治療成績の改善が求められている.遠隔転移部位としては,骨転移が非常に多いことが特徴であり,前立腺癌死亡例の85%に椎体転移が認められる.骨以外では,遠隔リンパ節,肝臓,肺などが好転移部位である.
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