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泌尿器科図譜・83
転移性前立腺膿瘍
Metastatic Prostatic Abscess
宗 達也
1
1国療久里浜病院皮泌科
pp.6
発行日 1958年1月1日
Published Date 1958/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202155
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48歳工員
放置した膿瘍が尿道に破れ,治癒に向つた症例である。初め左腋窩などに癤腫様発疹を来し,圧迫排膿せしめていた所,数日後より頭痛排尿終未痛を,更に尿意頻数,次で高熱を発して来院す。初診時白血球数21,000,前立腺は小鶏卵大,平滑,境界明瞭で殊に左葉の腫大圧痛が著明であつた。尿及び前立腺分泌液中に多数の球菌を認め,直ちに懸濁ペニシリン毎日120万の注射を行うに,3日目より尿閉会陰部圧迫感,11日目より左葉に波動をふれたがクロマイ1日3000ミリを使用した所,膿瘍は尿道に破れて治癒に向つた。初診時動脈血及び前立腺分泌液中よりは,黄金色ブドー球菌を多数証明し,ズルフオンアミド抵抗性,クロマイ・サイクリン系薬剤に感受性であつた。尚IP,眼底所見には特記すべきものがない。
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