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特集 Onco-Nephrology—がん治療の最新フロンティア
Ⅲ.腎不全患者とがん
腎不全患者の発がんリスク
Cancer incidence in patients with renal failure
岩藤 和広
1
,
中島 一朗
1
Kazuhiro Iwadoh
1
,
Ichiro Nakajima
1
1東京女子医科大学腎臓外科
キーワード:
慢性腎症
,
腎不全
,
発がん率
Keyword:
慢性腎症
,
腎不全
,
発がん率
pp.568-574
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205390
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要旨 保存期腎不全患者における一般人口に対する発がん率(SIR)は全がんで1.2倍だった(p<0.05)。臓器別では腎がんのみが有意にSIRが高かった。維持透析患者では全がんのSIRは1.4〜1.8で(p<0.05),腎臓・膀胱・甲状腺・乳房などにおいて発がん率が有意に高かった。本邦の腎移植患者では全がんのSIRは2〜3倍ほどで(p<0.05),ほとんどの臓器においてSIRは有意に高率と考えられ,発がん頻度からみると乳がん・子宮がん・腎がん・大腸がん・胃がん・皮膚がん・PTLDなどが高頻度にみられた。
時期的には保存期腎不全の末期と透析導入直後に発がん率が高いことに注意がいる。腎不全の各時期の発がんリスクに応じたがん検診を定期的に行い,早期発見・早期治療を目指すことが重要である。
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