今月の主題 心・血管系ホルモン
測定法・病態生理
エンドセリン測定法の病態生理学的意義
江森 俊明
1
,
平田 結喜緒
1
Toshiaki EMORI
1
,
Yukio HIRATA
1
1東京医科歯科大学医学部内科学第二教室
キーワード:
エンドセリン
,
高血圧
,
血管攣縮
,
心筋梗塞
,
腎障害
Keyword:
エンドセリン
,
高血圧
,
血管攣縮
,
心筋梗塞
,
腎障害
pp.248-251
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900519
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主に血管内皮細胞において産生・分泌されるエンドセリンー1(ET-1)は,強力な血管収縮性ペプチドである.循環血液中に微量に存在し,生理的には血管トーヌスの調節に局所的に関与していると考えられる.またいくつかの病態(血管攣縮,高血圧,急性心筋梗塞,急性腎不全,血管障害など)では血中ET-1濃度の上昇が認められ,病態の進展にかかわっている可能性が強い.ET-1様免疫活性(LI)は尿中にも存在するが,腎尿細管から分泌されている可能性がある.腎疾患において尿中ET-1―LI排泄は増加し,腎障害の指標となりうる可能性がある.今後血中および尿中ET-1―LIの病態生理学的役割の解明が待たれる.
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