小さな工夫
鎖膀胱造影用に作製した鎖留置器具
渡辺 秀輝
1
,
和志田 裕人
1
1安城更生病院泌尿器科
pp.913
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205088
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鎖膀胱造影は女性の腹圧性尿失禁患者の後部尿道膀胱角の測定に不可欠な検査である。しかし,鎖膀胱造影の施行に際して一般に用いられているネラトン・カテーテルに溝を切りbead chainを乗せて尿道に挿入する方法では,挿入時の疼痛や先に注入した造影剤の漏出,ネラトン・カテーテルの抜去時にチェーンも同時に抜けてしまうなどのトラブルがしばしば発生する。今回我々は,鎖の留置から造影剤の膀胱内注入まで極めて容易に行える器具を作製したので報告する。
器具は,先端を丸くした直径17Fr.,長さ10 cm程のテフロン管にY字管を接続し,その中にニッケル・メッキを施した真鍮製の鎖(長さ約40cm)を入れたものである(図1)。鎖の末梢端には1号のナイロン糸を付け,そのナイロン糸をY字管の一方からゴム・キャップを通して外に出してある。Y字管のもう一方には残尿測定と造影剤注入用のルートが付けられている。
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