学会印象記
米国の尿失禁への姿勢に感銘—成人の尿失禁に関するConsensus Development Conferenceに出席して
西沢 理
1
1秋田大学医学部泌尿器科学教室
pp.122-123
発行日 1989年2月20日
Published Date 1989/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204921
- 有料閲覧
- 文献概要
成人の尿失禁に関するConsensus DevelopmentConferenceが,1988年10月3〜5日の3日間,NIH(National Institutes of Health)でThe MountSinai Medical Center病院長のDr.John W.Roweの司会で開催された。出席者全員で共通見解を得る会議の形式は,現在でも米国内の小さな町では,普通に行われているらしいが,日本人の私にとっては非常にユニークな感じであった。今回は,老人医学,泌尿器科,産婦人科,精神科,看護,疫学,基礎医学および一般公衆の各分野から選ばれた15人により構成された委員会(Con-sensus Panel)が,成人尿失禁の頻度,原因,治療などに関して共通見解を作成し,その草案を発表した。
委員会の共通見解を作成する際の参考として,1,2日目に,①公衆衛生,②病態生理と診断,⑱治療と管理について,④公衆と医療従事者の知識と姿勢,という4項目別に,26人の著名な専門家による発表が行われた。発表が終了すると,まず,各委員から質疑応答を受け,その後,一般参加者からの質疑応答も受け,問題点を出席着全員が自然に認識できるようになる進行形式であった。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.