Japanese
English
講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・1
Ⅰ.腎臓—A.腰および腹壁
Regional Anatomy for Operative Surgery of Genito-urinary Organs I.Kidney・1:A.Lumbar and Abdominal Wall
佐藤 達夫
1
Tatsuo Sato
1
1東京医科歯科大学医学部解剖学第2講座
1Second Department of Anatomy,Faculty of Medicine,Tokyo Medical and Dental University
pp.625-634
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204791
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腎の手術に必要な局所解剖について数回にわたり連載することになった。ほぼ術式の流れに沿って説明して欲しいとの編集部の意向を尊重して,今回は腎への到達路(進入路)をとりあげ,とくに腰部と腹部の筋層を中心に記述することにしたい。筆者は一介の解剖教師にすぎず,腎手術の実際にはほとんど無知といってもよい。そこで,あらかじめ腎への到達路について知識を仕入れるつもりで,図書館の学生指定参考書のひとつ,吉田修教授の総説1)を繙いてみたが,局所解剖的見地からみても優れた解説であり,いまさら追加の必要もないように感じた。そこで本稿では,その基盤となる解剖学的裏付けを述べるつもりで進みたい。日常の腎手術のさいに目に触れたことがらの中で,不審に感じていたことがひとつでも得心がいくようになるならば,幸いである。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.