文献抄録
転移性前立腺移行上皮癌の化学療法
pp.197
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204444
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前立腺移行上皮癌は前立腺腔上皮から発生するが,前立腺癌の1.5〜4%の発生頻度である,しかし,抗男性ホルモン療法は無効であり,放射線療法にも抵抗することが多いので,抗癌剤による化学療法が必要である。今まで前立腺移行上皮癌の化学療法についての報告は極めて少ない。著者らはcisplatinを中心とする他剤併用の化学療法で,転移の明らかな進行癌を治療して完全寛解をみた3症例について報告している。
著者らの化学療法は,第1日にcyclophosphamide 650mg/m2を静注し,第2,9,16日に50〜75mg/m2のcisplatinを生食水に溶き十分な利尿剤を加えて投与する。この投与法で2〜4週の休止期間をおいて第2コースを施行し,経過によつては第3〜5コースまで追加する。患者は薬剤投与の間のみ,1〜2日間入院させる。また経過観察中に再発の徴候があれば,第1日にcyclo-phosphamide 650mg/m2,50mg/m2 doxorubicinを与え,第2日に100mg/m2のcisplatinを投与する。
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