Urological Letter・121
前立腺部尿道からの原発性移行上皮癌
pp.667
発行日 1971年8月20日
Published Date 1971/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201214
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前立腺部尿道から生ずる原発性癌のうち移行上皮癌は稀なものではない。筆者の経験した4例について,その治療法と予後について簡単にのべよう。4例とも上部尿路は正常であつた。また膀胱も全例が正常であつた。膀胱壁の所々から材料をとつて生検したが,腫瘍もなくin-situの変化もなかつた。そこで前立腺部尿道が原発であると結論した。
第1例:55歳の男が排尿障害で来院した。前立腺部尿道に1つの小さいポリープ様のものがあつたので.生検に出したらGrade Ⅱの移行上皮癌であることがわかつたので,完全に切除した。その後症状がまつたく去つた。その後追跡検査のため生検に出したら,異状上皮のあることはわかつたが,はつきりした腫瘍は証明されなかつた。しかし転移のために2年後に死亡した。
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