文献抄録
女性の脊髄損傷者の導尿法の比較
pp.621
発行日 1986年8月20日
Published Date 1986/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204318
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男性の脊損患者では,カテーテルを用いない排尿法は,これを用いる方法あるいは膀胱上の尿路変更法より合併症の発生頻度は少ない。しかし,女性では外尿道口に集尿の工夫ができないので,しばしば留置カテーテルが用いられる。間歇的導尿法は,薬物による膀胱の排尿反射がコントロールしにくい点や,高位脊損では手の運動が障害されて不可能なことがある。女性では男性より留置カテーテルによくたえると考えられているが,著者らの経験から,女性の脊損者に留置カテーテル法を行つた13名と間歇的導尿法の22名の経過観察の比較で,留置カテーテル法に重大な合併症がおこる点を指摘報告している。
症例は17歳から76歳までの女性で,脊損部位別ではC5〜C7,留置カテーテル施行群(A) 8名,間歇導尿施行群(B) 6名,T12以上A 4名,B 9名,T12以下A 0名,B 7名,脊髄瘤A 1名,B 0名で,合計A 13名,B 22名である。
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