Urological Letter
外来患者の局所麻酔剤としてのBupivacaine (Marcaine R)の有用性/Motzkin法についての考え
pp.386,398
発行日 1986年5月20日
Published Date 1986/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204270
- 有料閲覧
- 文献概要
患者の時間や手続きを節約することはもちろん,経済的にも,外来で手術をすることはますます重要になつてきている。ニューヨーク州では1986年1月1日から,入院が必要であるという証拠がない限り,一部の術者達はある種の術式は外来で行うたてまえにしている。
筆者らも数年前から患者と術式とを選んで外来で手術をしている。この際問題になるのは患者が家へ帰つてからの疼痛である。通常筆者らは痛みが出た時に用いるように鎮痛剤の処方を患者に与えている。しかし,ここ2年間は局所麻酔にBupivacaineを用いているが,局所麻酔がすつかり切れたあとでも,鎮痛剤を必要とした患者はごく稀になつた。筆者らは通常0.25%の液を使つており,エピネフリンの添加もしない。それなのにこの麻酔は実に長時間有効であり,ゆうに8時間半もつづくのである。通常それ以後に鎮痛剤はほとんど必要がない。筆者らが気づいている唯一の欠点は,ほんのちよつとしたことだが,麻酔のために十分な量を使つたあと,手術を始めるまでに少なくとも10分は待たねばならないということである。この麻酔はほとんどの病院でも広く用いられるもので,どこの病院や施設からもその有害なことは報告されていない。その上,エピネフリンを添加しなくてもよいので,高齢者にも心不全を併発する心配もなく使用できるのである。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.