講座 MRIの基礎から臨床応用
ガドリニウム系造影剤の有用性
佐藤 良則
1
,
関 達夫
1
1埼玉社会保険病院放射線科
pp.744-748
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900109
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
MRI画像における組織間コントラストは,各々の組織の持つプロトン密度や緩和時問の違いを反映しており,軟部組織のコントラスト分解能はX線CTのそれを凌駕している感がある.しかし,装置や撮像方法がいかに進歩しても,信号強度を決めるパラメータの差が病変部と健常部の間で小さい場合,そのコントラストを向上させることには限界がある.そこでx線検査にヨード系造影剤が用いられるように,MRI検査においても種々の造影剤が研究・開発され,今日では日常的に使用されるようになった.本稿ではMRI用造影剤として臨床上最も歴史が長いガドリニウム系造影剤について,その基本原理と有用性,各科臨床医が理解しておくべき安全性や副作用などを概説する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.