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特集 新しいテクノロジ-による肺末梢病変の解析
内科的局所麻酔下胸腔鏡の有用性
Clinical Utility of Medical Thoracoscopy under Local Anesthesia
石井 芳樹
1
Yoshiki Ishii
1
1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
1Department of Pulmonary Medicine and Clinical Immunology, Dokkyo University School of Medicine
pp.229-234
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100635
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はじめに
胸腔鏡は,呼吸器疾患の診断および治療に不可欠な手技として日常診療に大きなウエイトを占めてきている1~3).胸腔鏡は,多くの場合,全身麻酔下に外科医によって施行されるが,胸膜病変に限定すれば局所麻酔下に内科医の手によっても施行しうる.全身麻酔下で行う胸腔鏡は通常,VATS(video-assisted thoracoscopic surgery)と呼ばれる.これに対して局所麻酔下で行う場合,もちろん機器はほぼ同一でvideo-assistedで行うが,内科医が施行できることから内科的胸腔鏡medical thoracoscopyと呼ばれる.
VATSと内科的胸腔鏡の違いを表1に示す.内科的胸腔鏡は,より侵襲性が少なく簡便に行えるが,その適応は主として胸膜疾患の診断と急性膿胸の治療や難治性気胸の治療などに限定される.外科医,内科医にかかわらず,目的によって局所麻酔で行うか全身麻酔で行うかは選択すべきと思われる.
本稿では,局所麻酔下胸腔鏡の適応と実際の手技,胸水診断における有用性のほか,適応拡大として急性膿胸や難治性気胸の治療における有用性について述べる.
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