小さな工夫
尿管皮膚瘻術とくに一側合流法での性腺血管索による尿管末端保護
尾本 徹男
1
1九州厚生年金病院泌尿器科
pp.144
発行日 1986年2月20日
Published Date 1986/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204224
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尿管皮膚瘻術手技については,有吉論文とその追加発言(臨泌,36:817,1982)に尽きると思うが,本法最大の難点は,熟練の術者が細心に施術しても,正常尿管の約1/3にtubeless不成功の危険性を含む点であろう。とくにsingle stomaのための一側合流法やdouble barrel法では,その危険性は一段と大きい。
この予防として尿管の屈曲,圧迫,緊張を避け,尿管周囲組織を付けて剥離するが,腹壁の収斂作用に対する保護効果は弱い。松本ら(臨泌,36:913,1982)は,上中部尿管の重要な血液供給源である精巣または卵巣動脈と尿管との剥離を戒めたYoungら(J.Urol.,95:327,1966)の卓見を紹介しているが,私はこれにヒントをえて,この血管索を積極的尿管保護に利用してみた。
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