Japanese
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手術手技
陰茎形成術—薄筋皮弁による方法
Reconstruction of the Penis: Gracilis Musculocutaneous Flap
中山 凱夫
1
Yoshio Nakayama
1
1筑波大学臨床医学系形成外科
1Department of Plastic Surgery, The University of Tsukuba, School of Medicine
pp.847-852
発行日 1985年10月20日
Published Date 1985/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204148
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はじめに
筋皮弁や筋膜皮弁の発達は,以前にはやや困難を感じさせた外陰部や鼠径部の再建を容易なものへと一変させてしまつた。さらに欠損の単なる被覆にとどまらずに,腟や陰茎の再建にも利用されるようになつてきた。薄筋皮弁を用いた陰茎の再建については,1972年にOrticocheaが最初に報告しているが,この時はまだ筋皮弁の概念が明確でなかつたこと,また五度に及ぶ手術であつたことからあまり注目されずにいた。その後,筋皮弁の隆盛と共にMcCrawやHesterが薄筋皮弁や薄筋弁を用いての一期的な再建について報告した。しかし,これらの報告でも症例数は少なく術後の形態も必ずしも良好とは思えない。したがつて薄筋による陰茎再建はまだ十分に確立された術式とは言えない面があり,以下に述べる一経験例も反省すべき点ばかりである。このような状況で本欄に投稿するのは気がひけるが,薄筋皮弁による再建術は手技も容易であり応用範囲も広いので,この手技をマスターすることは外科医には有益であると考え,以下手技について述べることとする。
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