Urological Letter
膀胱癌へのMuta Mycinの効果/あなたの診療に役立つヒント
pp.378,393
発行日 1985年5月20日
Published Date 1985/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204038
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1980年以来筆者らは14例の表在性膀胱腫瘍に1週に1回宛のMuta Mycin Cの膀胱内注入療法を試みてきた。筆者らは以前にサイオテーパ療法を受けて失敗した例,新しい癌ができた例およびin-situの癌があると診断された例などを任意に選んで本法を施行した。注入方法は40mgのMuta Mycinを60mlの食塩水か滅菌水にとかして尿道カテーテルを介して膀胱内に注入した。初めは週に1回宛8週間注入し,次は月に1回として1ヵ年間つづけた。
これらの症例に対する治療効果の判定は臨床所見を基にして行つた.すなわち,腫瘍の再発が進んだか否か,あるいはin-situの腫瘍が膀胱鏡的に消失したか否か,細胞診上,場性だつたものが陰性になつたか否かという点である。本法を最低3ないし4ヵ月行つた14例のうち5例は成功し,9例は失敗した。失敗群は,治療したにもかかわらず,再発腫瘍が存在したり,細胞診で陰性にならなかつた例などである。
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