Japanese
English
手術手技
副腎の手術
Surgery of the Adrenals
渡辺 泱
1
Hiroki Watanabe
1
1京都府立医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.293-298
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203782
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はじめに
副腎手術の主な対象は,もちろん各種副腎腫瘍の摘出である。ただ1950〜1960年代には,前立腺癌や乳癌の内分泌療法や下垂体性クッシング症候群の治療のために,正常あるいは過形成副腎の摘除がよく行われた。しかし,1970年代からは癌の内分泌療法としての副腎摘除術はほとんど施行されなくなり,また下垂体性クッシング症候群に対しては,より原因療法に近い経鼻的下垂体小腺腫摘出術が,1970年代後半から広く適用されるようになつた結果,最近の副腎手術は,再び各種副腎腫瘍に対してのみ,なされる風潮となつてきた。
さらに1970年代以降急速に発達した副腎シンチグラフィーおよびCTの技術によつて,副腎腫瘍の局在性診断成績が飛躍的に向上し,試験開腹の意味で両側副腎を同時に操作する機会はきわめて稀になつた。
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