パネルディスカッション 副腎外科における最近の進歩と問題点・2
討論
副腎外科の最近の進歩と問題点
高安 久雄
1
,
真崎 善二郎
2
,
渡辺 泱
3
,
佐藤 昭太郎
4
,
阿曽 佳郎
5
1東京大学
2九州大学泌尿器科
3東北大学泌尿器科
4新潟大学
5東京大学泌尿器科
pp.1004-1018
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201031
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高安(司会) ありがとうございました。これからいよいよ御討論願うわけであります。本日はいろいろな内分泌学的測定法というようなことには触れませんで,副腎外科という立場から,御議論願うわけですが,その前に私がちよつと現時点での診断のcriteriaをまとめてありますので,ここにおみせいたします。こういう点でなにか御議論がありましたらしていただくという意味ですが,第1表はCushing症候群診断についての標準的なことですが,問題はその病因が副腎のadenomaか,carcinomaか,hyperplasiaか,pituitary tumorか,最近問題になつているectopic ACTH産生腫瘍であるか,この点がまだ触れられてないわけです。原発性アルドステロン症の診断についてはConnが3つのcriteriaを示しております。また稀な例外としてcongenitalのaldosteronismということをいつていますが(第2表),adrenocortical hyperplasiaによるprimary aldostero-nismというようなものも稀なものですが報告があり,primary aldosteronismをどういうふうに定義づけるかというところにもまた問題があります。第3表に示しましたように,pheochromocytomaの診断につきましては,最近あまり特別な変化はないと思われます。
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