シンポジウム 前立腺癌の治療と予後・2
手術療法を中心とした前立腺癌の治療と予後
渡辺 泱
1
Hiroki Watanabe
1
1東北大学医学部泌尿器科
pp.531-533
発行日 1969年7月20日
Published Date 1969/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200710
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私達の教室では,従来より前立腺癌に対して積極的に手術療法を施行してきたので,私は手術療法を中心としてみた前立腺癌の治療と予後について,教室の成績を報告する。
私達の用いている前立腺癌根治手術のための術式は,充分な手術視野を得るため恥骨の一部を切除するもので,経恥骨式前立腺全摘出術として,すでに何回も発表してきた。最近ではより短時間で容易に所期の目的を達するため,従来行なつてきた下腹部U字切開にかえて,第1図のごとく下腹部正中切開により恥骨骨膜および直腹筋膜にT字状の切開を加え,骨膜を観音用きにして恥骨を露出する方法を用いている。こうして恥骨を横6cm,縦2cmほど部分切除すると,前立腺尖部の手術操作や前立腺摘出後の尿道膀胱吻合などを,直視下に容易に施行することができる。
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