Japanese
English
綜説
顕微鏡的血尿の臨床的意義
Clinical Features of Microscopic Hematuria
佐藤 昌志
1
,
越川 昭三
1
Masashi Sato
1
,
Shozo Koshikawa
1
1昭和大学医学部藤が丘病院内科
1Department of Internal Medicine, Showa University Fujigaoka Hospital
pp.281-289
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203781
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はじめに
血尿とは尿中に赤血球が混入していることで,顕微鏡下でなければ判定できないような顕微鏡的血尿と肉眼で明らかにわかるような肉眼的血尿とがある。後者の場合には患者自身が発見し驚きのあまりに外来を訪れるというケースが圧倒的に多いが,前者の場合ではそういうことはない。しかし,最近では学校,職場および保険加入時などに検尿する機会が多くなり,顕微鏡的血尿のみを主訴として病院を訪れるケースも多くなつた。顕微鏡的血尿でも,肉眼的血尿でもその後のアプローチの仕方は基本的には大差はないが,頻回の検尿の結果が得られれば臨床診断の手助けになることは明らかである。この場合に,内科的疾患による血尿か,泌尿器科的疾患による血尿かの鑑別が最も重要であり,特に尿路系の悪性腫瘍を十分に考慮しておかねばならない。しかし,実際の診療に当つていると,最新の検査手段を用いても血尿の原因や原疾患の確定診断が極めて困難なことが多く,経過を観察するに留まる場合も少なくない。
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