特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割
各論
US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定
1.食道
1)悪性腫瘍(深達度・転移)
岡住 慎一
1
,
神津 照雄
2
,
矢野 嘉政
1
,
牧野 治文
1
,
落合 武徳
1
,
古川 敬芳
3
1千葉大学医学部第2外科
2千葉大学光学医療診療部
3国立がんセンター中央病院放射線診断部
キーワード:
食道癌
,
深達度
,
リンパ節
,
MRI
,
CT
Keyword:
食道癌
,
深達度
,
リンパ節
,
MRI
,
CT
pp.295-301
発行日 1999年2月26日
Published Date 1999/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102976
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要旨 食道癌の深達度診断,リンパ節診断におけるCT(dynamic CT),MRI(magnetic resonance imaging)の有用性について検討した.両者とも他臓器浸潤(A3)の診断に有用であり,大動脈浸潤は腫瘍との接触角を,気管・気管支浸潤は,その変形像を基準に良好に診断しえた.リンパ節の部位別描出率は両者とも食道壁周囲が不良で,気管周囲が良好であった.特にMRIは,任意の撮像面の設定により所属リンパ節の同定が容易であった.また,gadolinium(Gd)-DTPAを用いた造影MRIによる転移診断では,92%の正診率を得た.深達度,リンパ節診断においては,CT,MRI,USのそれぞれの特性を生かして効率よく,より正確な判定を行うことが肝要と考える.
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