小さな工夫
われわれの試作した腎内腎盂切石術用"ヘラ型"腎盂鈎
高橋 茂喜
1,2
,
北川 龍一
1,2
1筑波大学臨床医学系泌尿器科
2現:順天堂大学泌尿器科
pp.1089
発行日 1982年11月20日
Published Date 1982/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203466
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近年手術手技の進歩に伴い,腎実質に対する損傷を少なくして,腎結石を摘出することが可能になつてきた。これはGil-Vernetが開発したintra-sinusal pyelolitho-tomy1)によるところが大である。この術式により,腎外腎盂が小さく従来は摘出不能とされるような腎結石に対しても,腎実質を損傷せずに経腎盂的に摘出することが可能となつた。
この術式を行うにあたり,種々の腎盂鈎の工夫がみられるが2),われわれもGil-Vernetのrenal sinus retractor(第1図,上)と,著者の一人北川が考案した"ヘラ型"腎盂鈎(第1図下)を使用し良好な手術成績を挙げている。"ヘラ型"腎盂鈎は銀または銅ニッケルメッキ製で,厚さ5mm,長さ20cm,幅11mm,13mm,15mmの3種があり,先端は軽い爪状を呈し,尾部は円形に屈曲して指をかけて牽引し得るようになつている。腎門,腎洞の大きさにより適宜鈎の選択が行えるように,幅の異なる3種が作られている。
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