手術手技
追加発言・2—Transuretero-ureterostomyの経験
宇山 健
1
Takeshi Uyama
1
1国立病院四国がんセンター泌尿器科
pp.919-920
発行日 1982年10月20日
Published Date 1982/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203438
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Transuretero-ureterostomy (以下TUUと略す)は1934年にHigginsが最初の臨床例を報告して以来,欧米においては種々の下部尿管疾患に対する尿路変更術のひとつとして試みられている。TUUは比較的に簡単な術式であり,その応用範囲も広いと考えられるが,本邦では一般的術式とはなつていないようである。その大きな原因として,吻合によるrecipient側尿管の傷害に対する懸念があると思われるが,松本論文にも述べられているように,そのような危険性はほとんど問題にならないとする報告が多い。われわれは1975年以来,13例(片側尿管腟瘻7例,膀胱癌3例,尿管癌,尿管端々吻合不全,直腸癌の各1例)に対してTUUを施行してきた。その術後経過を比較的長期にわたつてIVPで追跡し,若干の知見を得ているので追加する。
本法の適応は,中部尿管以下の病変に対して適応があると考えている。主として片側性尿管腟瘻に対する術式として評価しているが,尿管下位の腫瘍あるいは膀胱癌のうち膀胱壁部分切除術が適応となるものにも応用できる。
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