Urological Letter
稀釈性低ナトリウム血症の治療に対する高調食塩水の価値/一過性直腸痛についての考え
pp.354,361
発行日 1982年4月20日
Published Date 1982/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203331
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Urologyの1980年3月号のP.267〜271に載つたUtha大学の前立腺のTUR後に起こつた低ナトリウム性コーマの経験はわれわれ泌尿器科医の主なる収入源となる手術に関する問題であり,時宜に適したものであつた。筆者は稀釈性低ナトリウム血症の治療には高調食塩水が非常に効果的であることを強調したい。筆者の意見はUtha大学の主張を全面的に支持するものであり,稀釈性低ナトリウム血症とそれに伴う不快な諸症状が出現した患者に治療の近道を提供するものである。
筆者は麻酔医が,切除が始まつてから最初の15分ないし20分間患者から目を離さないで注意深く監視していることが絶対に大事なことを経験してきた。そうしていれば,灌流液の吸収による早期の自覚的および他覚的症状が現われた時点で術者に注意できるのである。麻酔医にそれができなければ,すべての例を脊髄麻酔かサドルブロックで行うべきで,そうすれば灌流液吸収による症状は速やかに認められるからである。
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