座談会
進行性前立腺癌の治療
町田 豊平
1
,
島崎 淳
2
,
河合 恒雄
3
1慈恵医大泌尿器科
2千葉大泌尿器科
3癌研付属病院泌尿器科
pp.1032-1044
発行日 1978年11月20日
Published Date 1978/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202646
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町田(司会) 前立腺癌の治療はいくつかの話題を持つた泌尿器科的治療の1つです。特に手術の適応でない前立腺癌,一般的にいいますとstage Cの治療が,国際的にも大きな論議を呼んでおります。こうした背景を踏まえた上で,日本人としての問題点,あるいは理想的な治療はどこにあるかなどの問題を中心に,今日は2人の先生をお招きして,お話をうかがうことにいたします。
ご意見を伺う前に前立腺癌の治療の問題をまとめてみますと,まず第1は疫学的な面で,日本人前立腺癌の発生頻度は,人種的に少ないといわれております。統計的に欧米に比べて1/4ないしは1/5という数字になつております。しかし,この発生率の少ない理由について,もともと少ないんではなくて,前立腺癌への転換因子が人種的に違うんではないかという意見もあります。ともあれ,従来いわれたほど少ないものではなく,統計的に日本人も最近は次第に増加してきております。
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