Japanese
English
綜説
尿路結核の現状とその治療
Clinical Features and Treatment of Urinary Tuberculosis
仁平 寛巳
1
Hiromi Nihira
1
1広島大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Hiroshima University School of Medicine
pp.291-300
発行日 1977年4月20日
Published Date 1977/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202330
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はじめに
20年前までは尿路結核は泌尿器科臨床において頻度が最も高い疾患の一つであつたが,その後の発生数の漸減とともに最近ではむしろ臨床的頻度が低い疾患群の中に入つている。実際の症例数の減少に加えて他の疾患による患者数の増加が頻度の著明な低下を招き,この傾向に応じて臨床的な関心も薄れてきた感がある。しかしながら,尿路結核の発見が遅れた場合は,抗結核化学療法を含む種々の治療によつても予後の不良が予想される症例が存在する。結核は死に至る病という昔の印象は無くなつたにしても,軽視できない疾患であることには変わりない。
1972〜1974年の3年間にわたつて行なわれた尿路結核の治療に関する西日本泌尿器科共同研究に参加したので,この研究における資料1,2)とともに最近の報告を中心に尿路結核の現状と治療について述べる。
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