文献抄録
泌尿器科医とSerratia marcescens
pp.122
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202299
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Serratia marcescensはグラム陰性菌でEnterobacta群に属し従来病原性はないとされていたが,最近では院内感染菌として注目されている.著者らは1973年頃よりSerratia感染が急増している点よりその臨床観察について述べると共に治療について言及している。Jersey CityMedical Centerにおいて1973年後半の6ヵ月間に3,890回の尿培養を行なつて98回(2.5%)にSerratiaを培養した。またSaint Michaels’Medical Centerでは5,584回の尿培養で155回(2.8%)に陽性で,この値は他の施設の陽性率(0.05〜0.1%)に比して極めて高率であつた。総計115例の患者から253回のSerratiaが培養された。菌陽性であつた115症例についてみると,75%は60歳以上の老人であり,98例は営養体力の衰えた抵抗力の低下した患者であつた。またSerratiaの分離された患者で注目される点は113例に留置カテーテルの処置をうけていること,そして101例が各種の抗生物質,抗菌剤の投与をうけていることである。
分離されたSerratiaについてみると90%は尿から,7例は血液から分離されたが,この患者では菌血症によるいろいろな臨床所見を呈した。
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