Senior Course 細菌
Serratia marcescens—特にその色素非産生株の確認と同定
橋本 雅一
1
1東京医歯大・微生物
pp.334
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907569
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抗生物質が広く使用されるようになってから,これまでは非病原性と考えられていた菌群による感染症が注目されるようになってきたが,れい菌(Serratia marcescens)もまたこのような菌の1つである.Serratiaというとまず思い浮かぶ性状は,赤色色素(prodigiosin)を産生する腸内細菌ということであろう.しかし,最近の報告では,色素非産生のSerratiaがふつうで,Serratiaと同定された菌株のうち,色素を産生するものは約7%にすぎないという.われわれが検出し,また保存している約40株のSerratiaでは,色素産生が80%以上にみられ,色素産生株が圧倒的に多い.
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