シンポジウム 下部尿路感染症の再発要因をめぐつて
小児尿路感染症の再発要因—特に潜在性神経因性膀胱の意義について
川村 猛
1
,
大城 尚史
1
Takeshi Kawamura
1
1東京都立清瀬小児病院泌尿器科
pp.853-858
発行日 1976年10月20日
Published Date 1976/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202237
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緒言
再発性尿路感染症の再発要因のひとつとして,小児におけるDorfmanら1)の報告以来,潜在性神経因性膀胱(Subclinical Neurogenic Bladder:Dorfmanら1),Occult Neurogenic Bladder:Martinら2),Isolated Neurogenic Bladder:Kamhiら3))の存在が重要な意義をもつていることは周知の事実であり,本邦でも小柳ら4)がとくに潜在性無抑制膀胱と女子再発性尿路感染症との関連についてこの問題をとりあげ報告している。
Tanaghoら5)は女児尿路感染症でLyonら6)のいういわゆる女児遠位尿道狭窄例のなかに強制尿道拡張術にその効果をみず,尿道内圧曲線の検討によつて尿道機能異常としての膀胱外括約筋異常攣縮による排尿障害を考えざるを得ない再発性尿路感染症を報告している。
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