交見室
慢性透析における血圧について,他
三橋 慎一
1
1東京厚生年金病院
pp.803
発行日 1976年9月20日
Published Date 1976/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202230
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慢性腎不全ではしばしば高血圧を伴い,そしてその管理に困惑することも稀ではない。しかし,血液透析が軌道に乗ると大部分は血圧の是正をみる。すなわち水分過剰,換言すればNa過剰によるものと推定される。
ところが,慢性透析を続けている症例の中で,透析中に低血圧に悩まされる例がある。この原因はこれまであまりよくわかつていなかつた。経験的に生理食塩水を透析回路に輸注したり,時としてはこれでは足りず更に昇圧剤,甚だしきはノルエピネフリンを加えることすらある。この低血圧は生命の危険はなくとも,患者を著しく不安に陥れ,透析の続行を不可能にすることがある点で困りものである。どなたかこれについてよい工夫をお持ちの方があればご意見を伺いたいものと思つていた。
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