文献抄録
再発性膀胱癌の化学療法
pp.111
発行日 1976年2月20日
Published Date 1976/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202106
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一般に膀胱癌は膀胱あるいは骨盤内に病巣が限局していれば,外科的または放射線療法などの併用で治療するのが普通である。しかし,癌が再発したり広範転移を来した場合に患者の状態を改善させるには化学療法にたよらざるをえないが,著者はこのような症例にCytoxanとAdria-mycinをそれぞれ単独または併用投与を行なつてその効果を検討して報告している。
患者は49例でいずれも以前に膀胱癌の治療をうけて移行上皮癌の局所再発または遠隔転移巣のある症例で,年齢は51歳から90歳に及んでいる。症例を3群に分け,第1群の21例は3週間に1g/m2のCytoxanを投与,第2群は10例で3週間に75mg/m2 Adriamycinを計500mgまで投与,第3群は18例で3週間に40mg/m2 Adriamycinと200mg/m2/day Cytoxan週4日を3週間併用投与した。各群の症例のStageはAからDまでなるべく均等に分けて薬効を検討できるようにした。また以前の癌治療についても,外科手術,放射線治療,TURなどが行なわれているが,これを均等に配するよう考慮した,化学療法剤投与中の患者については毎週血球検査,血液化学検査を行ない,3週毎に尿細胞診,3ヵ月毎に内視鏡,胸部検査を施行した。
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