文献抄録
腎盂,腎杯腫瘍の保存的手術について
pp.381
発行日 1972年5月20日
Published Date 1972/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201378
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著者らはYugoslaviaにおける上部尿路腫瘍の最近20年間の発生頻度を統計的に観察するとともに,上部尿路腫瘍の保存手術26例の予後について述べている。ユーゴにおいては1953年を境に腎盂および尿管腫瘍の発生頻度が急に高くなつている。1961年から70年にかけては腎実質腫瘍より腎盂腫瘍の方が症例数が増加している。著者らの大学において過去20年間にユーゴにおける上部尿路腫瘍として450例の腎盂腫瘍と257例の尿管腫瘍を集計しえた。そして著者らはこれら症例の住居地域を地図にプロットしてみたところ,ある河川流域の村においては人口200ないし157人に1人の発生をみているに反して都市においては2万ないし4万5千人に1人の発生頻度であり,このような差異の理由として村落地域にみられる風土病的慢性腎疾患が原因であろうと指摘している。そしてこの腎疾患は特殊地域の飲料水や摂取食物の腎毒性と関係があるのではないかとしている。
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