文献抄録
第1度前立腺癌の治療について
pp.318
発行日 1972年4月20日
Published Date 1972/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201366
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第1度前立腺癌は直腸診では硬度を増して触れることはなく,肥大症として摘出された腺腫中や経尿道的に切除された腺腫組織中に癌病巣を発見されることが大部分で,その良性腺腫中に見出される頻度は報告者によりまちまちで3.5%から21%に及んでいる。この治療については,現在諸家の意見は一致していないが,著者は1960年より1968年の9年間に取扱つた91例の第Ⅰ度前立腺癌の各種治療の予後を観察して報告している。
91症例の診断はTUR時の組織診断82例,腺腫摘出によるもの8例,生検にて診断された者1例となつている。診断確定後の治療については3群に分けて考察し,第1群はTURおよび腺腫摘出のみ45例,第2群は抗男性ホルモン治療施行22例,第3群は外科的根治手術施行16例,根治手術とホルモン治療併用8例計24例となつている。各群とも経過観察の期間は最短1年最長110ヵ月となつている。
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